
検査標章(車検ステッカー)の貼る位置と再交付の手続を、道路運送車両法施行規則第37条の3と国土交通省の通達、国交省ポータルの案内をもとにまとめました。車検ステッカーの位置と再交付について、結論は2つです。前面ガラスの運転者席側上部に貼り、再交付手数料は400円です。2023年7月3日に位置の考え方が変わり、電子車検証の導入で標章の役割も少し変わっています。車検の基礎知識として、整備工場の受付や納車の場面で説明できる内容に絞りました。
検査標章の公式案内
- 国交省ポータル|検査標章(ステッカー)表示内容と貼付位置
- 全日本トラック協会掲載|国交省通達(貼付位置の変更)令和5年7月3日施行
- 関東運輸局|検査標章の再交付必要書類と手数料
検査標章(車検ステッカー)とは
検査標章は、車検証の有効期間を外から確認できるようにするステッカーです。道路運送車両法第66条第1項により、自動車は車検証を備え付け、かつ検査標章を表示しなければ運行の用に供してはなりません。標章の有効期間は、車検証の有効期間と同じです(同条第4項)。
電子車検証になってから、標章の役割は以前より大きくなりました。国交省の電子車検証特設サイトのFAQによると、電子車検証の券面には有効期間の満了日が記載されず、ICタグにだけ記録されます。このため、満了日は検査標章を見るか、車検証閲覧アプリで確認することになります。
検査標章は、車検証の有効期間を車の外から確認できるようにするための表示で、道路運送車両法第66条第1項が車検証の備付けとあわせて表示を義務付けています。標章の有効期間は車検証の有効期間と同じです。電子車検証では、券面に有効期間の満了日が書かれず、満了日はICタグの中にだけ記録されています。そのため、車検の満了日を車の側で確かめる手段として、検査標章の裏面に印字された満了年月日の比重が増しています。整備工場が車検の案内を出すときも、顧客が自分で満了日を確かめるときも、標章か閲覧アプリが手がかりになります。標章を貼らずに運行すると、道路運送車両法第109条第9号により50万円以下の罰金の対象です。
車検ステッカーの貼る位置(2023年7月3日施行)
貼る位置は、省令と通達の2段階で決まっています。
| 根拠 | 定めている内容 |
|---|---|
| 施行規則第37条の3(省令) | 自動車の前面ガラスの内側に、前方から見やすいように貼り付けます |
| 前面ガラスがない車など | 運転者室や前面ガラスのない車は、後部の自動車登録番号標(ナンバー)の左上部に貼ります |
| 自動車検査業務等実施要領(通達) | 前方かつ運転者席から見やすい位置とし、運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置に貼ります |
| 通達の例外 | その位置で運転者の視野を妨げる場合は、視野を妨げない、前方かつ運転者席から見やすい位置に貼ります |
国土交通省は「自動車検査業務等実施要領(依命通達)」を令和5年2月22日に改正し、令和5年7月3日に施行しました(国自情第313号の3、国自整第246号の3)。改正前の表示位置は「前方から見易い位置」でしたが、改正後は「前方かつ運転者席から見易い位置」になり、その具体的な場所として運転者席側上部が示されました。
運転者席側上部の具体的な寸法(ガラス上端から何cmといった基準)は、通達の概要には書かれていません。ルームミラーやセンサー類との位置関係で迷う場合は、管轄の運輸支局に確認すると確実です。
車検ステッカーの貼る位置は、令和5年(2023年)7月3日施行の国土交通省通達で「前方かつ運転者席から見易い位置」に改められ、具体的には前面ガラスの運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置とされました。省令である施行規則第37条の3は前面ガラスの内側に前方から見やすいように貼ると定めており、通達はその中で運転者が自分で確認しやすい場所を指定した形です。運転者の視野を妨げる場合は、視野を妨げない位置を選びます。前面ガラスのない車は、後部ナンバーの左上部に貼ります。貼る前に、運転者席から標章が見えるかを確かめておくと安心です。2023年1月に変わったのは台紙で、位置の変更とは別の話です。
「2023年1月から位置が変わった」は誤り
ネット上には「2023年1月から貼付位置が運転席側に変わった」と書いた記事があります。実際に1月に変わったのは標章の台紙(様式)で、位置の変更は2023年7月3日の施行です。当初は1月の予定でしたが、延期されています。
もう1つ注意したいのが、自動車技術総合機構(NALTEC)の「継続検査の流れ」のページです。2026年10月の時点でも「フロントガラスの中央上部に貼り付けてください」と書かれたままで、通達の改正に記述が追いついていません。NALTECの古い記載と国交省の通達が食い違う場合は、国交省ポータルと通達を優先してください。
| 情報源 | 書かれている位置 | 扱い |
|---|---|---|
| 国交省通達(令和5年7月3日施行) | 運転者席側上部、車両中心から可能な限り遠い位置 | 現行のルールです |
| 国交省ポータル「検査標章(ステッカー)」 | 令和5年7月3日から貼り付け位置が変更と案内 | 現行のルールです |
| NALTEC「継続検査の流れ」 | フロントガラスの中央上部 | 改正前の記述が残っています |
車検ステッカーの見方(表面と裏面)
施行規則第37条の3第2項により、標章の表面は有効期間の満了時期を「年及び月」で表示します。国交省ポータルによると、表面と裏面の情報は次のとおりです。
| 面 | 表示される内容 |
|---|---|
| 表面 | 満了の年と月。年の数字の配置でも識別できます |
| 裏面 | 満了の年月日 |
| ナンバープレート用 | 表面のみ印字されます |
年の数字の配置は、令和5年が右下、令和6年が左下で、以降は左上、右上、右下の順に移ります。遠目で数字が読みにくくても、配置の位置で満了年の見当がつくようになっています。
台紙の変更と記録事務代行用の標章
国交省自動車局整備課のチラシによると、令和5年1月から台紙がはがきサイズに変わり、裏面に貼り合わせ方が書かれるようになりました。
標章には、運輸支局等で交付されるものと、記録事務代行用(工場で印刷するもの)があり、貼り合わせ方が違います。記録事務代行用は透明シールを使います(国交省ポータルの「相違点」PDF)。継続検査(指定整備)をOSSで申請し、記録等事務代行者がICタグを書き換える場合、検査標章は国交省の記録事務代行アプリから市販のプリンタで印刷します。
車検ステッカーの再交付の手続と手数料
再交付は道路運送車両法第70条に定められています。施行規則第41条の2によると、標章の滅失、き損、識別が困難になった場合のほか、標章を貼った前面ガラスが使えなくなった場合なども対象です。申請には車検証の提示が必要です。
| 項目 | 登録車(関東運輸局の案内) | 軽自動車(軽自動車検査協会) |
|---|---|---|
| 申請書 | OCR第3号様式(「申請又は請求の事由」に理由を記入。理由書を添付すれば記入不要) | 検査標章再交付申請書(軽第3号様式) |
| 手数料 | 手数料納付書に自動車検査登録印紙400円を貼ります | 1件400円 |
| 車検証 | 自動車検査証 | 車検証の原本 |
| そのほか | 使用者の委任状(申請書に使用者の記名があれば不要) | 毀損した標章(提出できる場合)、代理なら申請依頼書(様式5) |
| 申請先 | 最寄りの運輸支局、検査登録事務所(関東運輸局の本局では不可) | 最寄りの事務所、支所、分室 |
窓口の検査標章再交付の手数料は、2026年4月1日の改定で300円から400円に上がりました。東北運輸局のQ&Aは今も「検査登録印紙 300円」と書いており、改定前の額のままです。関東運輸局のページは400円に更新されています。
フロントガラスの交換を請け負う工場では、交換でステッカーを貼り直せなくなるケースが出ます。前面ガラスが使えなくなった場合も再交付の対象なので、作業前に顧客へ再交付が必要になることと手数料400円を伝えておくと、納車時の説明がスムーズになります。
車検ステッカー(検査標章)の再交付は、道路運送車両法第70条に基づく手続で、紛失や破損、識別が困難になった場合に加え、標章を貼った前面ガラスが使えなくなった場合も対象です。登録車は最寄りの運輸支局または検査登録事務所で、OCR第3号様式の申請書と、自動車検査登録印紙400円を貼った手数料納付書、自動車検査証を出します。軽自動車は軽自動車検査協会の事務所等で、軽第3号様式の検査標章再交付申請書と車検証の原本を出し、手数料は1件400円です。手数料は2026年4月1日に300円から400円へ改定されており、300円と書いた案内は古い情報です。
車検ステッカーを表示しない場合の罰則
第66条第1項に違反し、検査標章を表示しないで自動車を運行の用に供した者は、50万円以下の罰金です(道路運送車両法第109条第9号)。
車検証の有効期間そのものが切れている車を運行した場合は、無車検運行(第58条第1項違反)として、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります(第108条第1号)。2025年6月1日施行の改正後、e-Govの現行条文では「懲役」は「拘禁刑」と表記されています。罰金だけを定める第109条は、この改正の影響を受けていません。
ステッカーの貼り忘れや期限の確認漏れは、車検の案内と納車の手順で防げます。車検の満了日、入庫予定、標章の交付状況を車両ごとに記録できる整備システムを使えば、案内の出し忘れや再交付の要否も追いやすくなります。運用に合うかどうかはOSS対応システムの相談(無料)で確かめられます。
まとめ
検査標章(車検ステッカー)は、施行規則第37条の3により前面ガラスの内側に貼り、令和5年7月3日施行の通達で、運転者席側上部の車両中心から可能な限り遠い位置とされました。「2023年1月に位置が変わった」という説明は誤りで、1月に変わったのは台紙です。NALTECのページには今も中央上部という記述が残っているため、国交省ポータルと通達を優先します。表面は満了の年と月、裏面は満了年月日を示し、電子車検証の券面に満了日がない今は、標章が満了日を確かめる手がかりになります。再交付の手数料は2026年4月から登録車、軽自動車とも400円です。表示しないで運行すると50万円以下の罰金の対象です。
車検ステッカーに関するよくある質問
出典
- e-Gov法令検索 道路運送車両法(2026年10月4日確認):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- e-Gov法令検索 道路運送車両法施行規則(2026年10月4日確認):https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国交省ポータル 検査標章(ステッカー)(2026年10月4日確認):https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/sticker/index.html
- 国交省ポータル 検査標章の相違点(2026年10月4日確認):https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/assets/pdf/kensahyosho_souiten.pdf
- 全日本トラック協会掲載 国土交通省通達(2026年10月4日確認):https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2023/03/jta20230303vis.pdf
- 国土交通省自動車局整備課 検査標章のチラシ(中国運輸局掲載)(2026年10月4日確認):https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000286675.pdf
- 電子車検証特設サイト よくある質問(2026年10月4日確認):https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/faq/
- 電子車検証特設サイト 記録事務代行サービス(2026年10月4日確認):https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/business/service/
- 関東運輸局 検査標章の再交付(2026年10月4日確認):https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/car_regist_saikoufu_1.htm
- 軽自動車検査協会 検査標章の再交付(2026年10月4日確認):https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/reissuance/sticker.html
- 国土交通省 検査登録手数料一覧(2026年10月4日確認):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001986066.pdf
- 東北運輸局 Q&A 検査(2026年10月4日確認):https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/qa/kennsa/a2.html
- NALTEC 継続検査の流れ(2026年10月4日確認):https://www.naltec.go.jp/business/inspection/howto/flow/index.html
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